ブラジルの政界と企業の癒着
ブラジルでは数年前から汚職問題が取り上げられている。注目されたきっかけはペトロブラス株式会社による汚職事件だ。
ペトロブラス汚職事件
2014年3月から連邦警察のペトロブラス汚職捜査「ラバ・ジャット作戦」によって大規模汚職調査が始まった。
ラバ・ジャット作戦による捜査は国の政治に大きな影響を及ぼし、大手企業の関係者だけでなく、元大臣や元下院議長、現職上院議員の逮捕にも至っている。
ペトロブラス社を巡る汚職疑惑の捜査の中で、建設大手オデブレヒト社と政界との癒着が明らかになり、元社長ら幹部の供述から次々と大物政治家の名前が挙がった。
そして、2010年にミシェル・テメル前大統領が率いていた政党が総額4千万ドル(約44億円)の賄賂を受け取っていることが発覚。
同社の元幹部が検察の取り調べに対し、司法取引に応じて報奨付き供述をした。テメル前大統領は否定しているが、供述の様子を撮影した映像が公開され、同国の政界を揺るがすスキャンダルとなっている。