成果主義は正しいのか
日本は格差社会が進んでいるが、日本の構造がアメリカに近づいているためだろう。アメリカでは実力のあるものはお金持ちになり、能力のないものは貧困となって子供達までもがそれを引き継ぐ。
日本型成果主義
日本は年功序列という制度を取り入れた企業が大半をしめる。 勤続年数や年齢といった要素を重視して評価する制度だ。従業員が定着しやすく、人事評価システムも単純でわかりやすいため、会社のルールを定着させやすい。
しかし能力のない人も歳を取るにつれ、給料が上がるシステムは実力主義的な考え方からいくと非常に不合理であろう。
成果主義
成果主義は、実力のあるものにとっては結果を出せば出世でき、年齢は関係なくスキルアップしていくことができる。 スキルアップを望むものにとっては、やりがいのあるものになるだろう。
だが、実力のあるものとないものとで格差をつくり、そこが問題視される。 また、実力のあるものはスキルを身につけてしまえば転職が簡単にできるような社会構造になるため、離職率が高くなる。
海外の仕事
日本では終身雇用などあるため、転職を考える人は海外に比べると少なく、就職した会社で定年まで勤務するという考え方が定着しているが、日本と比較すると海外では実力主義的な考え方を取り入れている国は多い。
平均勤続年数は、アメリカは4.2年、イギリスは7.9年になっており、これは日本の平均勤続年数12.1年と比較しても、かなり短い。 このことから、海外では短い期間で転職を繰り返し、キャリアアップ、スキルアップを図っていくことが一般的だといえる。
日本に成果主義は合うのか
日本マクドナルドは2006年に成果主義を導入し、その一環として定年制を廃止。
この狙いは、社員の競争意識を刺激し実力ある人材を積極的に登用するためだ。 しかし、ベテラン社員が自分の成果を優先するあまり若手人材の育成が疎かになってしまい、若手の人材開発に問題が生じ、その結果、日本マクドナルドは成果主義を見直し、定年制を復活させた。
事例はいくつか存在するが、アメリカ式の成果主義は日本には合わないのではないだろうか。 成果主義がうまくいくことも職種によってはあるだろう。 だが、成果主義を日本で取り入れていくのであれば、日本にあった成果主義を見つけることが重要かもしれない。
タトゥーはファッション?
日本人はタトゥーに対して批判的だ。 しかしその流れは少しずつ変わりつつある。
タトゥーの歴史
1720年(江戸時代中期)に中国の刑罰を参考にして、軽度の盗犯に科される刑罰として刺青(タトゥー)が採用された。
それまで軽犯罪者には、耳や鼻を削いだり、指切りを行っていたが、残虐すぎるという理由から、その代わりとして刺青を行なうようになった。
1868年に江戸時代が終わり、西洋化の流れもあり、1870年に入墨刑は廃止され、1908年には「彫師及び依頼者には30日未満の拘束、20円未満の罰金」を科して禁止としたため、刺青は違法なものとなった。
第二次世界大戦(太平洋戦争)が終戦し、1948年に刺青を規制する刑法も廃止された。 1960年代、日本の映画界でヤクザ映画ブームが来たため、刺青(タトゥー)はヤクザのシンボルというイメージが定着した。
なぜ批判的なのか
海外に比べると、日本人がタトゥーに対して批判的なのは歴史から読み取れる。
日本人の大半はタトゥーをヤクザのシンボルとして認識している。そのためか、タトゥーを彫っている人はヤクザ、怖い、常識がなさそうなどのイメージを抱いているのではないだろうか。
今の世論
日本トレンドリサーチ(運営会社:株式会社NEXER)は、1200人を対象とした「入れ墨・タトゥー」に関するアンケートを実施し、結果を公開したため今の認識についてデータとして見てみよう。
60代以上の方は大半がタトゥーに対しての印象が悪い。しかし、20代の方は70.8%が批判的ではないことがわかる。
こちらのアンケートでは若い世代になるにつれてタトゥーに対して寛容であるという結果である。
今後タトゥーはどうなっていくのか
2015年9月に彫師が医師免許を持たずにタトゥー施術を行なったとして、医師法違反で罪に問われ裁判となり話題となったが、2018年11月14日に逆転無罪となった。
これによってグレーとされてきたタトゥー業が正式に合法となり、医師免許の必要がなくなったのである。
日本では徐々にタトゥーに対して寛大なってきており、タトゥーアーティストはこれからも増えていくと思われるため世代が変わるにつれファッションとしてのタトゥーが受け入れられてくるのではないだろうか。
遺伝子組み換え消費大国日本
日本で流通する遺伝子組み換え作物は8種類。
とうもろこし、大豆、菜種、綿、てんさい、じゃがいも、アルファルファ、パパイヤである。
今回は特に使用されている種類を紹介したい。
とうもろこし
菜種・綿
綿:
また、家畜の餌には遺伝子組み換えの表示義務がなく、それを食べた家畜や卵・牛乳・乳製品などの畜産物も表示を免れている。
他国に比べると緩い遺伝子組み換え表示義務は、2023年4月から厳格化される予定だ。
消費者が求める表示の透明性
多くの企業によれば、食品に「遺伝子組み換えでない」と表記するのは、消費者の要望だからである。
2023年4月からの改正案によれば、遺伝子組み換えが不検出時にのみ表記が可能となる。
アメリカなど規制の緩い国から輸入する食品の遺伝子組み換えでないという表示は難しい。
現在表示されているほとんど食品から表示は消え、以降は「分別生産流通管理」や「IP管理」、「IPハンドリング」表記となると言われているが、産地だけの記載、もしくは無記載になるものがほとんどだろう。
ゲノム編集による種も問題として上がっており、検出することができないため、技術的にも法律的にも追いついてない状態だ。
遺伝子組み換え表示制度については、この改正をきっかけに誤認をなくしていただきたい。
全世界がつながる低軌道衛星
衛星通信ビジネスで盛り上がりを見せる低軌道衛星。
この低軌道衛星が世界中に打ち上げられることでどんな場所でも通信が可能になる。
通信衛星コンステレーションとは
通信衛星を複数機協調させて機能させるシステムのこと。
通信衛星は1960年代から存在したが、地上約36,000kmの静止軌道上に位置しており、通信速度が遅く通信の遅延や特定の場所において通信できないなどのデメリットがあった。
だが、通信衛星コンステレーションは低軌道・中軌道上に位置するため遅延が小さく、静止軌道上通信衛星と比べると通信速度も早い。
そして、どんな場所にでもサービスを提供できる。
可能になること
インターネットの環境が整っていない地域においても、高速な通信や 遠隔医療の提供、航空機内での高速通信、高品質なビデオ通話などが可能になる。
また、災害時に地上設備が機能しなくなった際の通信をバックアップ回線として機能させることができる。
しかし、スペースデブリ問題や費用が莫大であること、電波の干渉における問題など課題は多く残されている。
カジノで失敗した韓国
日本でカジノ法案と呼ばれる、統合型リゾート整備推進法が進められている。
IR法ともいわれるが、実際にどのようなメリット・デメリットがあるのか簡単に説明したい。
メリット
外国人観光客の集客を目的としており、この施設によって莫大な経済効果が見込まれている。
カジノの敷地面積は全体の3%未満と決められているため、他の施設を多く作らなければならず雇用機会が増え、また地域の活性化にもつながる。
デメリット
治安の悪化、マネーロンダリングの利用が考えられる。そして、1番懸念されていることはギャンブル依存症の増加だろう。
現在のところ日本人来場者には依存症対策として規則が設けられる予定だ。
・入場料1回6000円
・週に3回まで、月に10回までの入場制限
・マイナンバーカードの提示
しかし、この対策では不十分であるとの見方もある。
海外の統合型リゾート
マカオの2019年度インバウンド旅客数は前年から10.4%増の約3940万人で、過去最多記録を3年連続で更新。
シンガポールは、2010年に中心部にマリーナ・ベイ・サンズ、郊外のセントーサ島にリゾート・ワールド・セントーサという2つのIRを開業。
それまで1000万人前後で推移していたシンガポールへの観光客数は、IR開業後に急成長。2018年は1851万人へと躍進した。
しかし、ベトナムやマレーシアなどにもカジノはあるのだが、インバウンドビジネスとして成功しておらず、韓国のカジノは失敗だったといわれている。
外国人観光客を呼び込む目的だったのだが、自国民が大半を占め、パチンコ店が数多くある韓国では、元々のギャンブル依存症をさらに深刻なものとした。
パチンコ店が多い日本にとって本当にインバウンド効果は見込めるのか、自国の問題の悪化につながらないのか、まだたくさん課題が残されている。
日本では2025年頃、もしくは2020年代後半の開業を目指している。
無くなるガソリン車
数十年後には、ガソリンで走る車は無くなるかもしれない。
電気自動車(EV)
自動車における環境への影響は、各国の課題だ。
特にイギリス、フランスの大気汚染はひどく、原油は有限なため代替エネルギーの開発に取り組んできた。
そして次世代の車として電気自動車の開発競争が激化している。
日本であまり目にすることのない電気自動車だが、電気とガソリンを併用するモデルはプリウスをはじめとするハイブリッドカーとしてメジャーとなっている。
完全な電気自動車は注目が集められており、イーロンマスクがCEOを務める米国の企業テスラ社の株価は、2019年に約300ドルだったものが2020年8月には約2000ドルとなり、株式分割が行われた。
ガソリン車の販売規制
各国ではガソリン車・ディーゼル車の販売規制、禁止が始まっており、中国では2019年から規制が始まり、イギリスでは2035年、アイルランドでは2030年までに全面禁止と発表。
日本では2040年までにガソリン車・ディーゼル車の販売を廃止する方針を発表した。
日本の課題
日本における電気自動車のシェア率は0.7%で、日本は電気自動車の開発、EVシフトは世界的に見て遅れている。そのため、まず企業の電気自動車開発が進められなければならないだろう。
また、電気自動車化は進んでいくが現在の流れは一時的なブームとの見立てもある。
今後の自動車産業の成長に注目したい。
中国の社会主義市場経済
一党独裁政権の社会主義国家である中華人民共和国だが、社会主義市場経済という経済体制だ。
これは、社会主義でありながら資本主義的な要素を取り入れた混合経済的な政策である。
ベトナム社会主義共和国も似た体制をとっており、新たな社会主義体制が浸透してきている。
中国の社会主義体制
中国の社会主義は従来のものとは違い、市場原理主義的な要素が強い。
1990年代後半に大規模な民営化が行われ、小規模な国営企業のほとんどは株式会社化された。
アリババやファーウェイは民間企業である。
現在は民間企業と国有企業が混在しており、国をどんどん成長させている。
社会主義市場経済の問題点
それは矛盾である。
中国やベトナムでは、地方との貧富の格差がどんどん広がっている。
日本人にとって当たり前の国民健康保険は、中国では存在せず、都市部の会社員は保険の加入が義務だが、非就労者・農村住民は任意加入だ。
日本では3割負担の治療費がほとんどの中国人にとっては10割負担なのである。
中国人にとって国民健康保険や年金制度がある日本は中国より社会主義的であると感じられている。
そして、人口が多い中国で医療福祉に力を入れることは他の価格を上げることにつながるため、進められていない。
中国では主要な企業は国有であり、民間企業を国有化しようとする動きもあり、国有企業を成長させる方針である。
成長を続ける中国であるが、市場経済に参加している一党独裁政権の政策が自国や他国にどう影響を与えるのだろうか。